診断方法
本症は臨床所見、生化学的検査から疑い、確定診断は遺伝子解析による.
臨床所見:
感染などが引き金となる、空腹時の著しい低血糖発作であり、昏睡や痙攣が認められる.発作時肝腫大を伴う.
生化学的検査:
発作時
著しい非(低)ケトン性低血糖
遊離脂肪酸>>総ケトン体
遊離脂肪酸/総ケトン体比は5以上 20を超えることが多い.
AST, ALT, LDH高値, 代謝性アシドーシス
非発作時
所見なし
診断の根拠となる特殊検査:
①有機酸分析:低ケトン性ジカルボン酸尿症がみられるが非特異的である.鑑別上必要
②タンデムマスによるアシルカルニチン分析:非特異的.鑑別上必要
③酵素活性:現在日本では実施されていない.
④遺伝子解析:2アレルに病因となる変異が同定される.
診断基準
上記臨床症状を示し,診断の根拠となる特殊検査の①②の非特異的所見を認めるものを診断疑い例とし,③④のどちらかを満たすものを確定例とする.
鑑別診断として挙がるのが脂肪酸β-酸化系異常症と3-ヒドロキシ-3-メチルグルタル酸血症であるが、有機酸分析,タンデムマス分析で鑑別可能.
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会