沿革

現在の小児慢性特定疾病対策は、1968(昭和43)年に始まった先天性代謝異常の医療給付事業、1969(昭和44)年からの血友病の医療給付事業、1971(昭和46)年からの小児がん治療研究事業、1972(昭和47)年からの慢性腎炎・ネフローゼ治療研究事業および小児ぜんそく治療研究事業といった疾患別事業を統合し、糖尿病、膠原病、慢性心疾患、内分泌疾患を新たに加え9疾患群を対象として1974(昭和49)年に創設された、小児慢性特定疾患治療研究事業を起源としています。1990(平成2)年には、新たに神経・筋疾患を加え10疾患群を対象とする事業となりました。

制度の創設当初と比べ、医療技術の進歩等により患児の生命予後は改善してきましたが、療養が長期化し、子どもや家族の負担が増大してきたことから、2002(平成14)年より、最初の大規模な制度見直しが始まり、制度の安定化を目的として、2005(平成17)年に児童福祉法が改正され、法律に基づく事業として法制化されました。新たに慢性消化器疾患を加え、11疾患群514告示疾患(包括的病名を除く)へ対象拡大するとともに、対象疾患と対象の基準(疾患の症状の程度)が大臣告示により定められ、一定以上の症状がある児や治療が必要な児といった支援の必要性を考慮して、対象者が決められることとなりました。また世帯所得に応じた自己負担額を導入されるとともに、福祉サービスとして日常生活用具給付事業およびピアカウンセリング事業が開始されました。

慢性疾病を抱える子どもたちの増加と、必要となる医療費の増加を踏まえ、2010(平成22)年より、厚生労働科学研究費補助金による小児慢性特定疾患治療研究事業に関する研究班を中心に、更なる対象疾患の見直し等が議論されるようになり、2012(平成24)年に厚生労働省社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会が設置され、今後の制度の在り方についての議論が始まりました。2013(平成25)年12月18日に同委員会による報告書がまとめられ、これを踏まえ2014(平成26)年第186回通常国会において児童福祉法改正案が提出され、同年5月23日に「児童福祉法の一部を改正する法律」(平成26年法律第47号)が可決成立し、同年5月30日に公布されました。

児童福祉法の改正に従い、2015(平成27)年1月1日より、14疾患群704告示疾病(包括的病名を除く)へと対象が拡大された、現在の小児慢性特定疾病対策が全面施行されました。その後も制度の見直しが継続的に行われており、2018(平成30)年4月には、新たに2つの疾患群と35疾病が対象として加わり、16疾患群756告示疾病(包括的病名を除く)が対象となっています。

年表開 く閉じる

1968年
(昭和43年)
先天性代謝異常の医療給付事業として開始
1969年
(昭和44年)
血友病の医療給付事業が開始
1971年
(昭和46年)
小児がん治療研究事業が開始
1972年
(昭和47年)
慢性腎炎・ネフローゼ治療研究事業および小児ぜんそく治療研究事業が開始
1974年
(昭和49年)
実施されていた疾患別の事業を統合し、さらに糖尿病、膠原病、慢性心疾患、内分泌疾患を新たに加えた9疾患群を対象とする「小児慢性特定疾患治療研究事業」が創設
1990年
(平成2年)
新たに神経・筋疾患を加えた10疾患群が対象
2002年
(平成14年)
当該事業の最初の大規模な見直し開始
2005年
(平成17年)
児童福祉法を改正し、当該事業を法律に基づく事業として法制化。新たに慢性消化器疾患を加え11疾患群に拡大する一方、大臣告示により対象疾患と対象基準(疾患の症状の程度)を定め、世帯所得に応じた自己負担額を導入するとともに、福祉サービスとして日常生活用具給付事業およびピアカウンセリング事業を開始
2006年
(平成18年)
気管支喘息の対象基準を改正
2010年
(平成22年)
厚生労働科学研究費補助金による小児慢性特定疾患治療研究事業に関する研究班を中心に、当該事業の対象疾患の見直し等の議論開始
2012年
(平成24年)
厚生労働省社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会が設置され、今後の制度の在り方について議論開始
2013年
(平成25年)
12月18日
小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会による報告書
2014年
(平成26年)
第186回通常国会に児童福祉法改正案が提出され、同年5月23日に「児童福祉法の一部を改正する法律」(平成26年法律第47号)が可決成立、同年5月30日に公布
2015年
(平成27年)
1月1日
「児童福祉法の一部を改正する法律」施行。14疾患群704の告示疾病(包括的病名を除く)が対象
2017年
(平成29年)
4月1日
改正制度の施行。18疾病が追加され14疾患群722の告示疾病(包括的病名を除く)が対象
2018年
(平成30年)
4月1日
改正制度の施行。2疾患群35疾病が追加され16疾患群756の告示疾病(包括的病名を除く)が対象