1. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
  2. 大分類: 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
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ファイファー(Pfeiffer)症候群

ふぁいふぁーしょうこうぐん

Pfeiffer syndrome

告示

番号:25

疾病名:ファイファー(Pfeiffer)症候群

概念・定義

FGFR2遺伝子(時にFGFR1遺伝子)の異常により先天的な頭蓋骨や顔面骨(基本的に下顎を除く)の形成異常がおこり、脳の発達が妨げられたり、眼球が突出したり、呼吸が障害されたりする。また手および足の指が互いに癒合している。

病因

原因遺伝子はFGFR2(時にFGFR1)で、遺伝子の変異が原因である。重症型である2型、3型の多くは突然変異である。しかし、病態のメカニズムはほとんど解明されていない。

疫学

日本での正確な数値は明らかではないが、日本での年間発症数は約6人程度と予想される。

臨床症状

症状は比較的軽いものから重いものまで多岐に渡る。頭蓋骨が小さいことによる頭痛や嘔吐・吐き気などの頭蓋内圧亢進症状を起こすことがある。また、顔面骨が小さいことにより眼球が突出したり、呼吸がしにくくなったり、噛み合わせが不良になる。また、手足の指が一部癒合している。重症型では精神運動発達遅滞を認めることがある。

治療

頭蓋や顔面骨を広げる手術を行う。近年では、広げたい骨の所に延長装置を取り付けて毎日少しずつ伸ばしていく骨延長法を行うことが多くなっている。また、手の指が癒合している部分を分離する。

予後

比較的軽い症状から重い症状まで3つに分類される。軽い症状の場合は適切な時期に手術を受けることで予後は良好となる。しかし、重症例は、多くの手術を要するだけでなく、呼吸の障害を合併し、予後は悪いこともある。
:バージョン1.0
更新日
:2018年1月31日
文責
:日本小児遺伝学会