診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 肝内胆汁うっ滞性疾患
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先天性胆道拡張症

せんてんせいたんどうかくちょうしょう

congenital biliary dilatation

告示

番号:15

疾病名:先天性胆道拡張症

診断方法

A. 主要症状・所見

  1. 黄疸、腹痛、発熱、嘔気・嘔吐を呈することが多い。
  2. 囊胞状拡張を呈する場合には腹部腫瘤を触知することもある。

B. 検査所見

  1. 血液生化学検査では総ビリルビン値、直接ビリルビン値、γ-GTP、アルカリフォスファターゼ、膵酵素(アミラーゼ、トリプシン、エラスターゼI)の上昇を見ることがある。
  2. 腹部超音波検査、造影CTでは拡張した胆管を同定できる事が多い。
  3. 内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)や、MRI (MRCP)では、膵・胆管合流異常を確認出来ることが多い。
  4. 開腹時の肉眼的所見あるいは術中胆道造影像ではTodani分類(後述)に示される形態所見をみる。
図:本症のTodani分類

図:本症のTodani分類

C.診断

上記Aの症状・理学所見やB1の検査所見から本症を疑う。病型分類には上記の Todani 分類を参照し、確定診断はB2から4の検査所見に基づいて行う。

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児外科学会/日本小児栄養消化器肝臓学会