診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 重症筋無力症
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重症筋無力症

じゅうしょうきんむりょくしょう

myasthenia gravis; MG

告示

番号:20

疾病名:重症筋無力症

診断方法

A.症状

易疲労性を示す以下の症状を認める。

  1. 眼瞼下垂
  2. 眼球運動障害、眼位異常
  3. 顔面筋力低下
  4. 構音障害
  5. 嚥下障害
  6. 咀嚼障害
  7. 呼吸障害
  8. 頸部筋力低下
  9. 四肢筋力低下

<補足>上記症状は日内変動を呈する

B.病原性自己抗体

  1. 抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性
  2. 抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性

C.神経筋接合部障害

  1. 眼瞼の易疲労性試験陽性
  2. アイスパック試験陽性(または氷を口に含むことで症状が軽減)
  3. 塩酸エドロホニウム(テンシロン)試験陽性
  4. 反復刺激試験陽性
  5. 単線維筋電図でジッターの増大

以下のいずれかの場合、重症筋無力症と診断する。

  1. Aの1つ以上があり、かつBのいずれかが認められる。
  2. Aの1つ以上があり、かつCのいずれかが認められ、他の疾患が鑑別できる。

当該事業における対象基準

眼筋症状、運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会