診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 脊髄小脳変性症
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脊髄小脳変性症

せきずいしょうのうへんせいしょう

spinocerebellar degeneration; SCD

告示

番号:36

疾病名:脊髄小脳変性症

診断方法

成人に準じる

【主要項目】

脊髄小脳変性症は、運動失調を主要症候とする原因不明の神経変性疾患の総称であり、臨床、病理あるいは遺伝子的に異なるいくつかの病型が含まれる。 臨床的には以下の特徴を有する。

  1. 小脳性ないしは後索性の運動失調を主要症候とする。
  2. 徐々に発病し、経過は緩徐進行性である。
  3. 病型によっては遺伝性を示す。その場合、常染色体優性遺伝性であることが多いが、
    常染色体劣性遺伝性の場合もある。
  4. その他の症候として、錐体路徴候、錐体外路徴候、自律神経症状、末梢神経症状、
    高次脳機能障害などを示すものがある。
  5. 頭部のMRI やX 線CT にて、小脳や脳幹の萎縮を認めることが多く、大脳基底核病
    変を認めることもある。
  6. 脳血管障害、炎症、腫瘍、多発性硬化症、薬物中毒、甲状腺機能低下症など二次性
    の運動失調症を否定できる。

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会