診断基準
A. 症状
下記の特徴、特に1.~5. を満たす場合、本症を疑う。
- 女児
- 乳児期から幼児期前半にてんかん発作を発症
- 繰り返す発作群発
- しばしば発熱や感染症が発作再発の契機となる
- 発作型は焦点性発作、全身けいれんが主体
- 家族例では女性にのみ発症する特異な分布がみられ、男性は健常である
- 知的障害、種々の精神神経症状(自閉、多動など)
B. 検査所見
- 血液・生化学的検査所見に特異的なものはない
- 頭部CT/MRIは基本的に正常(軽微な萎縮、形成異常など非特異的な変化を伴うこともある。)
- 生理学的所見:発作間欠期脳波ではしばしば焦点性棘・鋭波や基礎波・背景活動の徐波化を認める
C. 遺伝学的検査
PCDH19 遺伝子解析で変異を同定
確定診断
A. の症状及び B. の 3. から本症を疑い、C. の遺伝子異常を認めれば診断確定となる。
参考文献
- 日本てんかん学会編集 稀少てんかんの診療指標 2017年04月17日発行
- Samanta D. PCDH19-Related Epilepsy Syndrome: A Comprehensive Clinical Review. Pediatr Neurol. 2020 Apr;105:3-9.
対象の基準(疾病の状態の程度)
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :第1版
- 更新日
- :2021年11月1日
- 文責
- :日本小児神経学会