診断基準
A. 症状
- 不規則で部分的なミオクローヌス(erratic myoclonus)が睡眠時・覚醒時ともにみられる。
- 微細な発作、自動症、無呼吸、顔面紅潮などを伴う多彩な焦点発作がみられる。
- 最重度の精神運動発達遅滞を残す。
B. 検査所見
- 1. 血液・生化学・尿検査
- 特異的所見はないが、血液・尿のアミノ酸、尿有機酸、血液および髄液の乳酸・ピルビン酸の検査を行う。
- 2. 画像検査
- 初期には異常なく、進行すると脳萎縮を示す。脳形成異常がみられることもある。
- 3. 生理学的検査
- 脳波では正常な背景活動や睡眠活動はなく、覚醒時、睡眠時ともにサプレッション・バーストパターンを示す(睡眠時のみのこともある)。
C. 鑑別診断
新生児期の種々の脳症、大田原症候群との鑑別を要する。D. 遺伝学的検査
一定した遺伝子変異は知られていない。E. 診断のカテゴリー
- Definite:
- 生後1か月以内(まれに3か月以内)の児にA. 1、2 がみられ、B. 3 が確認されれば診断は確定する。
参考文献
- 須貝研司.日本てんかん学会(編):早期ミオクロニー脳症,稀少てんかんの診療指標.診断と治療社,2017:34-7.
対象の基準(疾病の状態の程度)
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :第1版
- 更新日
- :2021年11月1日
- 文責
- :日本小児神経学会