診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 筋ジストロフィー
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ウルリヒ(Ullrich)型先天性筋ジストロフィー(類縁疾患を含む。)

うるりひがたせんてんせいきんじすとろふぃー (るいえんしっかんをふくむ。)

Ullrich congenital muscular dystrophy

告示

番号:10

疾病名:ウルリヒ型先天性筋ジストロフィー(類縁疾患を含む。)

診断方法

I.主要臨床症状

  1. 近位関節(頸・肩・肘・股・膝関節)拘縮と遠位関節(手首、手足指関節)過伸展
  2. 知的障害を伴わない運動発達遅滞
  3. 筋緊張低下
  4. 筋力低下
  • (必須)進行性
  • (必須)2歳以下発症

II.重要な検査所見

  1. 筋病理にて結合織の増生、筋線維の大小不同が主体で、壊死再生所見を認めることもある。免疫組織化学染色でVI型コラーゲンの完全欠損または筋鞘膜特異的欠損を認める(筋病理レポート添付が望ましい)
  2. VI型コラーゲン遺伝子に変異を認める(レポート添付が望ましい)

III.その他の参考所見

  1. 脊柱可動域制限および脊柱側弯症
  2. 先天性股関節脱臼
  3. 皮膚の過伸展傾向
  4. 皮膚のケロイド形成、粗な小胞性角化症、紙やすり様丘疹
  5. 顔面筋罹患
  6. 呼吸障害

必須項目 I. かつ II.-1. または II.-2. を満たす時、本症と診断する。

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.1
更新日
:2020年6月3日
文責
:日本小児神経学会