診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 筋ジストロフィー
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福山型先天性筋ジストロフィー

ふくやまがたせんてんせいきんじすとろふぃー

Fukuyama congenital muscular dystrophy; FCMD

告示

番号:15

疾病名:福山型先天性筋ジストロフィー

診断方法

I.主要臨床症状

  1. 精神運動発達遅滞
  2. 筋緊張低下
  3. 筋力低下
  • (必須)進行性
  • (必須)2歳以下発症

II.重要な検査所見

  1. 高クレアチンキナーゼ血症
  2. 頭部MRI画像にて多小脳回、小脳嚢胞様所見,大脳白質髄鞘化遅延の所見を認める.
  3. 筋病理にて筋ジストロフィー所見に加えて、円形で小径な線維、結合織増生を示し、免疫組織化学染色でα-ジストログリカンの糖鎖に対する抗体で染色性低下を認める。(筋病理レポート添付が望ましい)
  4. フクチン遺伝子に3kbの挿入変異を(a)ホモまたは(b)複合ヘテロ接合体性に認める。(レポート添付が望ましい)

III.その他の参考所見

  1. 関節拘縮
  2. 顔面筋罹患
  3. 熱性けいれん、てんかんの合併または脳波異常
  4. 眼合併症(白内障、網膜異常)
  5. 摂食・嚥下障害
  6. 呼吸障害
  7. 心筋症

必須項目 I、II-1かつII-4を満たす時、本症と診断する。

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.1
更新日
:2020年6月3日
文責
:日本小児神経学会