診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 遺伝子異常による白質脳症
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皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症

ひしつかのうほうをもつだいとうがたはくしつのうしょう

megaloencephalic leukoencephalopathy with subcortical cysts

告示

番号:6

疾病名:皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症

診断方法

I.主要臨床症状(多くは乳幼児期に出現)

  • 大頭症
  • 精神運動発達遅滞、退行
  • 痙性
  • 小脳失調

II.重要な検査所見

頭部MRI:白質のびまん性の異常信号、小脳白質の腫脹、側頭葉前部、前頭頭頂部優位の皮質下嚢胞の存在
遺伝子解析:MLC1(22q13.33に存在);MLC1 HEPACAM (11q24に存在);MLC2A

III.その他の所見

けいれん

I.1.とII.一つ以上を満たす場合、本症と診断する

軽症型(MLC2B);HEPACAM異常では、優勢遺伝形式をとるものが存在し、その場合の臨床症状は、大頭症、てんかんである。独歩獲得は可能で、運動発達は概ね良好である。知的障害や自閉症を伴う例がある。退行はない。

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会