診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: 遺伝子異常による白質脳症
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カナバン(Canavan)病

かなばんびょう

Canavan disease

告示

番号:3

疾病名:カナバン病

診断方法

I.主要臨床症状(多くは乳幼児期に出現)

  1. 精神運動発達遅滞、退行
  2. 筋緊張低下
  3. 大頭症、頭部制御不能
  4. 痙性、深部腱反射亢進、病的反射陽性

II.重要な検査所見

  1. 尿中のN-acetyl-aspartate (NAA)の著明な上昇(正常上限の20倍以上)
  2. 皮膚線維芽細胞中のaspartoacylase(ASPA)活性の低下
  3. MRI(T2/FLAIR)で対称性、皮質下優位の白質の高信号、あるいは1H-MRSでNAAピークの増加とNAA/Cho比の上昇(正常:1.0-2.4)
  4. 遺伝子解析;ASPA遺伝子異常

III.その他の所見

  1. 小脳症状
  2. けいれん
  3. 視神経萎縮
  4. 摂食障害
  5. 常染色体劣性遺伝形式の家族歴

I.三つ以上とII.二つ以上を満たす場合、本症と診断する

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会