診断方法
家族性LPL欠損症(ホモ接合体)は、乳児期から著明な高TG血症、カイロミクロンの増加を呈する(Ⅰ型高脂血症)。ヘパリン静注後のLPL活性・蛋白が欠損する。アポ蛋白CIIの欠損がないことも確認する。LPLの遺伝子変異は多くの報告がある。
アポリポタンパクCIIはLPLの活性化に必須である。この欠損症ではV型高脂血症(VLDLも増加)を呈する。アポ蛋白CII欠損を証明する。LPL蛋白は正常(または高値)である。
原発性V型高脂血症の病因は不明である。炭水化物や脂肪の過剰摂取で増悪する。LPL欠損症、アポCII欠損症がないことを示す。増悪因子がなくてもカイロミクロンの上昇は認められる。
特発性高カイロミクロン血症は、上記の疾患と続発性高カイロミクロン血症を除くものである。LPL活性を阻害する遺伝子異常が報告されている。
診断方法
カイロミクロンが存在すること。また、血清TG値がきわめて高値であること(4桁になると膵炎発症の危険性がある)。LPL欠損症では、ヘパリン静注後のLPLレベルの低下、またはLPL遺伝子変異を証明する。アポリポタンパクCII欠損症ではアポリポタンパクCIIの欠損を証明する。原発性V型高脂血症ではカイロミクロンと超低比重リポタンパク(VLDL)の増加も示す
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年5月14日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会