診断方法
- 臨床症状 新生児期は無症状であるが生後2~3か月から巨赤芽球性を主体とした貧血を来す。精神運動発達遅滞を呈し、尿中オロット酸の排泄増加により尿路結石を生じる場合もある。残存酵素活性の程度により軽度の貧血のみや神経症状のみを示した症例報告もある。
- 検査所見 巨赤芽球性貧血のほか、小球性低色素性貧血、赤血球不同症、変形赤血球症の所見を示すこともある。
- 酵素診断: 赤血球を用いた酵素活性測定法が報告されているが、通常行っている施設はない。
- 遺伝子診断:現在行っている施設はない。
尿中オロト酸の排泄増加が特徴的であり、GC/MSによる尿中有機酸分析により多量のオロト酸排泄が認められる場合は本症を考慮する。尿素サイクル異常症のうち、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症ではカルバミルリン酸の増加が生じこれがオロト酸の増加を来すため、血中アンモニア、アミノ酸分析による鑑別が重要である。また妊娠、悪性腫瘍、薬剤投与でも尿中オロト酸の排泄増加が生じるため注意が必要である。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会