診断方法
臨床所見、生化学分析、および遺伝子解析に基づいて行う。
- 舞踏病アテトーゼを伴う精神発達遅滞、自傷行為があれば本症を疑う。乳児期早期から哺乳異常、発育不良がみられ、その後運動発達遅滞が明らかになる。1歳を過ぎて不随意運動が、2歳を過ぎると自傷行為が出現する。
- 生化学的診断:血清尿酸値の上昇は生後1ヶ月でみられ、尿酸過剰産生のため尿中尿酸/クレアチン比が上昇する。(注1)
- 酵素診断: 赤血球におけるHPRT活性の低下(注2)。また、赤血球中にはPRPP(ホスホリボシルピロリン酸)濃度が上昇するため、APRT(アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)が安定化され、活性が2-3倍に上昇している。HPRT活性の低下およびAPRT活性の上昇により欠損を判定する。
- 遺伝子診断:ダイレクトシークエンス法などによりXq26.2-q26.3に位置するHPRT酵素蛋白をコードする遺伝子(HRT1)解析を行う。
上記の臨床像のような症状、所見がみられ、他の原因疾患が特定されていない場合には下記の検査を行う。
- 注1:
- 腎結石(尿酸結石)がみられることもある。
- 注2:
- 典型的なLesch-Nyhan症候群のHPRT残存活性は1.5%以下である。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会