診断方法
臨床症状、臨床検査に基づいて行う。
- 臨床症状 発症時期により、3つの臨床型に分類される。
- 重症新生児型:出生直後より、顔貌異常、軽度魚鱗癬、骨格異常、肝腫大、心症状、筋緊張低下を認め、乳児期早期に進行性水頭症を認める。
- 乳幼児型:重症乳児型は 1~2歳頃に筋力低下、歩行障害で発症し、MLD類似の神経変性による感覚運動障害と精神退行を認め、MPS様の精神発達遅滞、肝脾腫、低身長、角膜混濁、顔貌異常、点状軟骨異形成症I型に見られる魚鱗癬や骨変形を認める。軽症乳幼児型は、2歳未満で発症し、発達遅滞、神経症状、魚鱗癬を認め、4歳以降で骨変形を認める。
- 若年型:2歳以降で発症し、発達遅滞、神経症状を認め、4歳以降で魚鱗癬や顔貌異常を認める。
- 臨床検査
- 末梢血血液像で、好中球にAlder-Reilly bodiesを認める。
- 尿中スルファチド、コレステロール硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸の排泄増加を認める。
- 髄液蛋白増加、末梢神経伝導速度遅延を認める。
- 頭部MRIで、T2強調画像にて脳室周囲や皮質下白質に高信号域を認める。進行すると脳白質の著明な萎縮、脳室拡大を認める。
- 腹部CTで、肝臓、脾臓の腫大を認める。
- 骨単純X線写真では、軟骨異形成症、骨形成不全症の骨変形を認める。
- 白血球あるいは培養皮膚線維芽細胞のアリルスルファターゼA、アリルスルファターゼB、ステロイドスルファターゼなど2種類以上のスルファターゼの活性低下を認める。
- 遺伝子解析でSUMF1遺伝子に変異を認める。
疑診:上記臨床症状に、a~fを認めれば強く疑う。
確定診断:g、あるいはhを認める。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2015年5月14日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会