診断方法
主要症状および臨床所見、診断の根拠となる特殊検査に基づいて行う。
1.主要症状および臨床所見
症状は一定しない。発熱時や絶食時の意識障害、けいれん、横紋筋融解、心筋障害、肝障害などの診断目的で下記の検査を行い、診断がついた例もあるが、無症状で発見される例もある。突然死の鑑別診断の過程で発見されることもある。
2.診断の根拠となる特殊検査
① 血中アシルカルニチン分析
血液ろ紙、血清を用いたアシルカルニチン分析で、特異的な異常が同定される。また、時に遊離カルニチンが低下する症例がみられる。二次性カルニチン欠乏症時においてはアシルカルニチンも全般に低値になるのでアシルカルニチンの比を用いた指標で評価することも有用である。
② 尿中有機酸分析
非ケトン性ジカルボン酸尿を呈し、脂肪酸代謝異常症を示唆する所見が得られることが多い。本症を特異的に示唆する所見はみられない。
③ 末梢血リンパ球や培養皮膚線維芽細胞などを用いた酵素活性測定
④ 遺伝子解析
3. 診断基準
疑診; まず、先天性代謝異常に属する疾患の一覧にある40〜48の疾患が除外される。その上で、発症前型を除き何らかの臨床症状を認め、血中アシルカルニチン分析、尿中有機酸分析で特異的な異常を認めたとき、疑診とする。但し、多臓器不全などの異化亢進に伴う二次的なカルニチン・プロファイルの異常は除外する。
確定診断; 上記に加え、酵素活性測定あるいは遺伝子解析にて疾患特異的所見を認めるとき、確定診断とする。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会