概要・定義
脂肪酸代謝異常症は、脂肪酸β酸化によって脂肪からエネルギーを作り出す過程に関わる酵素や担体の遺伝的な異常をその原因とするものである。空腹時や運動時にエネルギー不足に陥り、様々な障害をきたす。代表的な疾患として、先天性代謝異常に属する疾患の一覧にある40〜48の疾患が挙げられる。しかし、それら以外にも非常に稀ではあるが、酵素や担体の遺伝的な異常によって脂肪酸代謝の異常を示す疾患が存在する。
疫学
先天性代謝異常に属する疾患の一覧にある40〜48の疾患以外のものは稀である。
症状
症状は一定しない。発熱時や絶食時の意識障害、けいれん、横紋筋融解、心筋障害、肝障害などの診断目的で、診断の手引きにある検査を行い、診断がついた例もあるが、無症状で発見される例もある。突然死の鑑別診断の過程で発見されることもある。
診断
『診断の手引き』参照
治療
異常をきたす脂肪酸代謝酵素の種類によって異なる。
予後
予後は一定しない。
参考文献
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2015年5月25日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会