診断方法
1.年齢ごとに下記の臨床症状、検査所見からシトリン欠損症を疑う。
(1) 新生児期~乳児期(NICCD)
新生児スクリーニング陽性もしくは遷延性黄疸を契機に診断されることが多い。スクリーニング陽性群ではシトルリン、メチオニンを始めとする複数の血中アミノ酸やガラクトースの一過性の上昇を伴う。遷延性黄疸群では胆汁うっ滞、直接ビリルビンの上昇のため、胆道閉鎖や新生児肝炎との鑑別が重要となる。その他の徴候としては肝機能障害、体重増加不良、凝固能低下、低蛋白血症、脂肪肝などが認められる。ほとんどの場合NICCDの症状は1歳までに軽快するが、肝不全に進行し、肝移植が必要であった症例も報告されている。
(2) 幼児期以降(適応・代償期)
この時期以降特異な食癖(糖質を嫌い、高蛋白・高脂肪食を好む)を呈することが多い。その他、慢性肝障害、肝腫大、体重増加不良、低身長、易疲労感、低血糖、脂質異常症、胃腸障害、けいれん、膵炎などの症状を認めることがある。
(3) 思春期以降(CTLN2)
意識障害、失見当識、急性脳症様症状、行動異常、精神症状で発症し、高アンモニア血症、高シトルリン血症をきたす。飲酒などが引き金になることがある。
2.確定診断
遺伝子診断による。日本人患者では代表的な 11 個の変異で変異頻度の 95% を占めることが知られており、これらの変異を対象とするスクリーニング検査法が開発されている。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会