診断方法
(1)臨床症状・家族歴
①嘔気、嘔吐、意識障害、痙攣など非特異的な臨床症状
②新生児期における同胞の突然死
(2)検査データ
①血中アンモニア高値
新生児>120 μmol/L(200 μg/dL)、乳児期以降>60 μmol/L(100 μg/dL)以上
②アニオンギャップ:正常(<20)
③血糖:正常範囲(新生児期>40 mg/dL)
(3)特異的検査
①血中アミノ酸分析(シトルリン低値)、尿有機酸分析(オロト酸排泄を認めず)
②酵素活性あるいは遺伝子解析における異常
(1)のうち1項目かつ(2)の①を含めた2項目以上を満たす場合、尿素サイクル異常症が疑われ、確定診断のための検査を行う。
診断の根拠となる(3)①を認めるときCPS1欠損症もしくはNAGS欠損症と考える(本邦ではこれまでNAGS欠損症の報告が無いため、この場合はCPS1欠損症と暫定的な診断がなされている)。
②を認めるときNAGS欠損症と確定診断とする。
なお、理論的には「N-カルバミルグルタミン酸投与によるアンモニア値の低下」が診断的治療となりうる。本邦ではN-カルバミルグルタミン酸は未承認薬であるため、現時点での実施は困難である。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会