診断方法
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主症状
縦隔腫瘤が多くみられる、そのほかリンパ節、皮膚、肝臓、脾臓、ワルダイエル輪に腫瘤形成する。
II. 検査所見
- 細胞マーカー検査及び遺伝子検査:TdTはほぼ全例で陽性になる。凍結切片ではCD1a、CD2、CD4、CD5、CD7およびCD8が陽性となる場合が多い。CD13,33も陽性になることがある。遺伝子検査ではCD3陽性例ではほぼ全例でT細胞抗原受容体(TCR)β遺伝子およびTCRγ遺伝子の再構成が認められる。CD3陰性例では、約半数にTCRの再構成が認められ、ときに免疫グロブリン遺伝子の再構成が見られる。
- 病理組織学的検査:リンパ節では基本構造が消失し、成熟小リンパ球よりやや大きい中型リンパ球のびまん性増殖が認められる。時にリンパ節周囲の軟部組織への浸潤性増殖が見られる。しばしば腫瘍細胞の間に反応性マクロファージをみ、starry-sky patternを認める。
一般的に腫瘍細胞の核は類円型で、核内に均一に分布する繊細なクロマチンを有し、核小体は目立たない。細胞質はほとんど無いか、ごくわずかに認められるのみである。核は複雑で深い切れ込みのあるconvoluted typeと、non-convoluted typeがある。
腫瘍細胞がより大型で核小体の明瞭なものも存在する。
診断
原則として、病理組織学的検査により診断する。
鑑別診断
- Ewing family tumor、CD99(MIC2)陽性例
- 前駆B細胞性リンパ腫、CD79a陽性の例
参考文献
- Jaffe ES, Harris NL, Stein H et al. WHO classification of tumors, pathology and genetics, tumors of hematopoietic and lymphoid tissues. IARC press,Lyon, 2001
- 小児腫瘍カラーアトラス 第1巻悪性リンパ腫、白血病および関連病変 日本病理学会小児腫瘍組織分類委員会編集、金原出版、2002
- 悪性リンパ腫臨床と病理―WHO分類(第4版)に基づいて 吉野正ほか、先端医学社、2009
当該事業における対象基準
組織と部位が明確に診断されている場合。治療終了後から5年を経過した場合は対象としないが、再発等が認められた場合は、再度対象とする。
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会