リンパ腫 診断の手引き


病 型

  • ① 血液検査 LDH,可溶性IL-2リセプターも時に有用である
  • ② 生化学的検査:LDH,可溶性IL-2リセプターの上昇(sIL-2リセプターは未分化大細胞性リンパ腫で上昇しやすい)
  • ③ 画像診断:CT,MRI、Gaシンチグラフィー、PETなど
  • ④ 病理組織学的検査

病 型

Hodgkin lymphoma non Hodgkin lymphoma

B前駆細胞腫瘍

  1. precursor B lymphoblastic lymphoma

成熟B細胞腫瘍

  1. Burkitt lymphoma
  2. diffuse large B cell lymphoma

前駆T細胞腫瘍

  1. precursor T lymphoblastic lymphoma

成熟T細胞およびNK細胞腫瘍

  1. analpastic large cell lymphoma

NHLおいては上記の病型で全体の90%以上を占める

小児NHLの病期分類(St. Jude(またはMurphy)分類)

stageⅠ

  • 1) 単一の節外性病変または単一のリンパ節領域内に局在した病変(但し縦隔と腹部病変は除く)

stageⅡ

  • 1) 単一の節外性病変で領域リンパ節の浸潤を伴うもの
  • 2) 横隔膜の同一側にある

    (2a)2箇所以上のリンパ節領域の病変

    (2b)2箇所の単一の節外性病変(所属リンパ節浸潤の有無は問わない)

  • 3) 肉眼的に全摘された消化管原発病変(通常回盲部)

    (隣接する腸間膜リンパ節への浸潤の有無は問わない)

stageⅢ

  • 1) 横隔膜の両側にある2箇所の単一の節外性病変
  • 2) 横隔膜の両側にある2箇所以上のリンパ節領域の病変
  • 3) 胸郭内(縦隔、胸膜、胸腺)の病変
  • 4) 腹部原発の広範囲におよぶ病変で、全摘不能であったもの
  • 5) 傍脊髄または硬膜外の病変(他の病変部位の有無は問わない)

stageⅣ

  • 1) 発症時に中枢神経系または骨髄(腫瘍細胞が25%未満)に浸潤があるもの

ホジキンリンパ腫の病期分類

I 期

病変が1か所のみのリンパ節領域(I期) または1個のリンパ節外臓器の限局性病変(IE期)のみの場合(脾臓・胸線・ワルダイエル輪)

II 期

病変は横隔膜を境界にして一方の側に限局していて、なおかつ、病変が2か所以上のリンパ節領域に存在する場合 (II期)、または病変リンパ節とそれに関連したひとつのリンパ節外臓器(または部位)への限局性の浸潤がある場合 (横隔膜の同側の他のリンパ節外領域の有無は問わない)(IIE期)

III 期

病変が横隔膜を境界にして両側のリンパ節領域に進展している場合(III期)。病変リンパ節領域に関連するリンパ節外臓器(または部位)への限局性浸潤を伴っている場合はIIIE期とする。脾臓浸潤がある場合はIII Sと記載し、両者を認める場合はIII E+Sと記載する。

IV 期

病変がリンパ節外臓器へびまん性(多発性)に浸潤している場合(領域リンパ節の浸潤の有無は問わない)。または、リンパ節病変と、それに関連しない遠隔のリンパ節外臓器に病変がある場合。

リンパ節以外の病変の扱いについては、病変がリンパ節外臓器のみに限局している場合やリンパ節病変に近接したリンパ節臓器に限局性に浸潤している場合には、それはリンパ節病変と同様に扱い、『E』という記号を付記する。

肝臓などリンパ節外臓器にびまん性に浸潤進展した状態はIV期として扱う。リンパ節外の臓器浸潤が病理学的に証明された場合には、浸潤部位の記号に続けて(+)と記載する。浸潤部位は下記の表記に従う。

N=nodes, H=liver, M=bone marrow, S=spleen, P=pleura, O=bone, D=skin

B症状 ホジキンリンパ腫に伴う全身症状、以下のどれか1つ以上がみられる場合、B症状ありとする

  1. 診断前6ヵ月以内の10%以上の体重減少
  2. 38℃以上で3日以上持続する原因不明の発熱
  3. 盗汗