診断の手引き

  1. 骨系統疾患
  2. 大分類: 骨系統疾患
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骨硬化性疾患

こつこうかせいしっかん

osteosclerotic diseases

告示

番号:4

疾病名:骨硬化性疾患

状態の程度

脳神経障害、骨髄炎若しくは骨折の症状が続く場合又は治療が必要な場合

診断基準

A 症状

・病的骨折または偽関節
・脳神経症状(視力・聴力障害、顔面神経麻痺など)
・骨髄炎
・歯牙形成不全
・顔貌異常(前頭部突出、眼間解離、下顎の突出など)
・脳圧亢進症状または水頭症

下記の疾患群を含む
濃化異骨症、骨斑紋症、骨線状症、流蝋骨症、異骨性骨硬化症、頭蓋骨幹端異形成症、骨幹端異形成症(Pyle病)、頭蓋骨幹異形成症、硬化性骨症


B 検査所見

X線所見としては全身性、びまん性の骨硬化像、骨肥厚を共通の所見とする。下記のようなX線所見を伴いやすい。

・頭蓋冠、頭蓋底、顔面骨、下顎骨などの骨硬化や骨肥厚
・四肢長管骨、肋骨、鎖骨などの骨肥厚
・Cobb角20度以上の脊柱側弯
・末節骨の骨融解像


C 遺伝学的検査等

・CTSK遺伝子の異常(濃化異骨症)
・LEMD3遺伝子の異常(骨斑紋症)
・WTX遺伝子の異常(骨線状症)
・SLC29A3遺伝子の異常(異骨性骨硬化症)
・ANKH遺伝子あるいはGJA1遺伝子の異常(頭蓋骨幹端異形成症)
・SOST遺伝子の異常(頭蓋骨幹異形成症、硬化性骨症)


D 鑑別診断

・大理石骨病
・骨幹異形成症(カムラチ・エンゲルマン症候群)
・骨パジェット病


E-1 確実例

・Aのうち2項目以上、Bのうち3項目以上を満たすもの
・Aのうち1項目以上、Bのうち1項目以上を満たしCを満たすもの


E-2 疑い例

・Aのうち2項目以上、Bのうち2項目以上を満たすもの

参考文献

  • 1. 西村玄. 骨系統疾患X線アトラス(医学書院)第4章 硬化性骨異形成症 149-176, 1993
  • 2. Bonafe L, Cormier-Daire V, Hall C, et al. Nosology and classification of genetic skeletal disorders: 2015 revision. Am J Med Genet A 167A:2869-2892, 2015
  • 3. 小﨑慶介、北野利夫、鬼頭浩史、他. 2015年版骨系統疾患国際分類の和訳. 日整会誌 91:462-505, 2017
:バージョン1.0
更新日
:2018年1月31日