1. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
  2. 大分類: 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
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スミス・マギニス(Smith-Magenis)症候群

すみす・まぎにすしょうこうぐん

Smith-Magenis syndrome

告示

番号:20

疾病名:スミス・マギニス症候群

患者数

2,000人

概要

17p11.2の欠失による先天異常症候群。特徴的な顔貌、短い指、中度から重度の知的障害、特徴的な行動特性、睡眠障害を示す。17p11.2に位置するRAI1遺伝子のハプロ不全が主たる原因であることが明らかにされている。

原因の解明

17p11.2に位置するRAI1遺伝子のハプロ不全により発症する。大部分はRAI1を含む染色体部分欠失が原因であるが、RAI1遺伝子変異も少数報告されている。遺伝子変異例と欠失例との表現型に大きな違いがないので、RAI1が主たる表現型の原因と考えられている。

主な症状

乳児期に筋緊張低下を示し、特徴的な顔貌や合併奇形に気づかれる。顔貌は短頭、前額突出、眉毛癒合、耳介低位、内眼角開離、斜視、顔面正中低形成、下顎突出が特徴である。幅広く短い指を伴う。発達の遅れ、中度から重度知的障害を示す。行動の障害が主要な問題であり、多動、衝動性、気分の変化、自傷他害などを示す。重度の睡眠障害、特に睡眠リズム障害を示す。

主な合併症

聴力障害や中耳炎などの耳鼻科的異常、斜視等の眼科的異常の合併が高い。先天性心疾患、腎奇形、脳奇形、低身長、内分泌障害、側弯症を伴うことがある。

主な治療法

行動障害や睡眠障害に対する対症療法が主体である。総合的な療育が望まれる。

研究班

先天異常症候群の登録システムと治療法開発をめざした検体共有のフレームワークの確立
:バージョン1.0
更新日
:2014年10月1日