概要・定義
神経伝達物質異常症は、神経伝達物質の生合成・代謝・異化に関わる酵素の先天的な欠損症である。胎児期から乳幼児期の、神経細胞が分化してネットワークを形成していく時期に神経伝達物質の異常があると、神経発達に重大な異常をきたす。代表的な疾患として、先天性代謝異常に属する疾患の一覧にある122〜127の疾患が挙げられる。しかし、それら以外にも非常に稀ではあるが、神経伝達物質の代謝に関わる酵素の遺伝的な異常によって神経発達に異常をきたす疾患が存在する。
疫学
先天性代謝異常に属する疾患の一覧にある122〜127の疾患以外のものは稀である。
病因
症状は一定しない。発達の遅れ、筋緊張低下、反射亢進、嗜眠、難治性のてんかん発作や脳波異常の原因精査の目的で、診断の手引きにある検査を行い、診断がついた例もあるが、無症状で発見される例もある。
診断
『診断の手引き』参照
治療
異常をきたす神経伝達物質の代謝に関わる酵素の種類によって異なる。
予後
予後は一定しない。
参考文献
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2015年5月25日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会