概要・定義
神経セロイドリポフスチン症は病理学的に規定される神経変性を特徴とする疾患群であり、神経細胞、心筋、骨格筋に電子密度が高く、自家蛍光を発するリポフスチン顆粒の蓄積を認める。常染色体劣性遺伝形式で遺伝する。
疫学
欧米では1万に1人と頻度が高いが、2001年の我が国での全国調査では27例との報告があった。
病因
CLN1,2,3,5,6,7,8,10が本症の責任遺伝子として報告されている。病気の表現型と責任遺伝子は1対1の対応はしておらず、同じ遺伝子の変異が別の病型を示す事もある。神経細胞などのライソゾーム内に自家蛍光を発する褐色のリポフスチン顆粒の蓄積が認められることが特徴。
症状
乳幼児期から小児期にかけて神経系の障害として発症する進行性の遺伝性神経変性疾患であり、視力障害、運動失調やけいれん等を呈し、最終的には寝たきりとなる。その一部は進行性ミオクローヌスてんかんの症状を呈する。発症年齢,臨床経過より一般に乳児型、遅発性乳児型、小児型、成人型の4型に分けられる。
診断
『診断の手引き』参照
治療
対象療法
予後
予後は不良で平均余命は先天型で生後数時間から数週間、乳児型で8〜11年、遅発乳児型と若年型で6〜30年とされる。
成人期以降
神経症状が進行すると寝たきり、人工呼吸器、胃瘻などとなるので全身の管理が重要である。
参考文献
江崎江崎淳二 神経セロイドリポフスチン症、別冊日本臨床 新領域別症候群シリーズ No. 20 先天代謝異常症候群(第2版)下 p604-610
ライソゾーム病・ペルオキソゾーム病 診断の手引き 編集 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業 ライソゾーム病(ファブリー病を含む)に関する調査研究班
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2015年5月25日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会