診断基準
A. 主要臨床症状
- 笑い発作
- その他の様々なてんかん発作
- 知的発達障害
- 行動異常(攻撃性・暴力性、易刺激性、多動など)
- 思春期早発症
B. 重要な検査所見
- 頭部MRI:視床下部に付着する腫瘤性病変。付着側は、片側、両側ともにありうる。造影効果は認めない。内部の信号強度は均一であることがほとんどだが、まれに不均一な信号を呈することや、内部に嚢胞を伴うこともある。
- 脳波:約半数では異常を認めない。異常が認められる場合には、局所性、全般性のいずれも生じうる
- 血液検査:思春期早発症に関する内分泌ホルモン値については、他項(内分泌疾患『思春期早発症」)を参照。
診断
A. の 1 かつ B. の 1 を満たすとき、本症と診断する。
B. の 1 があり、A. の 1 がなく、A. の 2 がある場合、他の原因によるてんかんが除外できれば、本症と診断できる。
参考文献
- 日本てんかん学会(編)「稀少てんかんの診断指標」(2017年),診断と治療社.P135-138.
- 日本てんかん学会(編)「てんかん専門医ガイドブック」改訂第2版(2020年),診断と治療社.P308-309.
- Kerrigan J. Hypothalamic Hamartoma, Ed by Elaine Wyllie, WYLLIE’S TREATMTNT OF EPILEPSY PRINCIPLES AND PRACTICE SIXTH EDITION, pp931-942. Wolters Kluwer, 2015.
対象の基準(疾病の状態の程度)
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :第1版
- 更新日
- :2021年11月1日
- 文責
- :日本小児神経学会