診断方法
臨床的項目
- ほとんどは生下時に全身性の紅潮を生じる。極めて稀に生後3歳までに四肢の対称性掌蹠外限局性潮紅を生じる。
- 機械的刺激を受ける部位に弛緩性水疱と浅いびらんが形成される。
- 全身性に角質増殖・鱗屑が見られる。また極めて稀に四肢の対称性掌蹠外限局性角質増殖・鱗屑を生じる。
- (参考) 遺伝形式は通常は常染色体優性遺伝性である。稀に劣性遺伝性の家系も報告がある。
組織学的項目
光顕にて、過角化と表皮肥厚、顆粒変性(有棘層上層から顆粒層にかけての表皮細胞の核周囲の空胞と粗大なケラトヒアリン顆粒、細胞内浮腫)が見られる。
診 断
組織学的項目を満たし、かつ臨床的項目①~③のいずれかに該当する症例を、ケラチン症性魚鱗癬と診断する。
遺伝子診断
ケラチン 1、10 または 2e の遺伝子変異が検出される。
除外診断
葉状魚鱗癬、先天性魚鱗癬様紅皮症(非水疱型魚鱗癬様紅皮症)、表皮水疱症、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、掌蹠角化症、線状表皮母斑を否定する。
当該事業における対象基準
感染の治療で抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬等の投与が必要となる場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児皮膚科学会