診断の手引き

  1. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
  2. 大分類: 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
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色素失調症

しきそしっちょうしょう

Incontinentia Pigmenti; Bloch-Sulzberger Syndrome

告示

番号:18

疾病名:色素失調症

診断基準

A.症状

  • 主要徴候
    1. 顔以外に出現する紅斑:生後1週から4ヶ月の間に出現し一般に線状に分布する。後に小水泡となる。
    2. 線状、渦巻状の色素沈着:生後4ヶ月から16歳の間に見られる。主に体幹に、ブラシュコ線に沿って出現し思春期に消退する。
    3. 線状または斑状に脱色し萎縮した皮膚:思春期から成人期に見られる。
  • 副徴候
    1. 歯牙異常(歯牙欠損、部分または完全無歯症、小歯症、歯牙形態異常等)
    2. 毛髪異常(脱毛、羊毛状の毛)
    3. 爪の異常(隆起状または陥没状の爪、爪鉤弯症)
    4. 網膜周辺部の血管新生

B.検査所見

なし

C.遺伝学的検査等

IKBKG遺伝子に変異を認める

D.鑑別診断

水痘。水痘ではブラシュコ線に沿うことはない。

E-1.確実例

主要徴候のうち少なくとも一つを満たし責任遺伝子(IKBKG遺伝子)に変異を認める場合は色素失調症と確定診断される。
変異を認めない場合もあり、その場合は主要徴候のうち項目2と副徴候のうち一つ以上を満たす場合を色素失調症と診断する。

E-2.疑い例

なし

当該事業における対象基準

基準(ア)を満たす場合
【基準(ア)】
症状として、けいれん発作、意識障害、体温調節異常、骨折又は脱臼のうち一つ以上続く場合であること。
:バージョン1.0
更新日
:2017年3月17日
文責
:日本小児遺伝学会