診断方法
臨床症状と病理所見の双方を満たせば確定診断とする.ただし病理所見は1または2のいずれかを満たせばよい.
臨床症状
消化管に器質的閉塞がないにもかかわらず嘔吐,腹部膨満などの腸閉塞症状や,排便障害,頑固な便秘,腸炎を呈する.
病理所見
- 直腸粘膜生検のアセチルコリンエステラーゼ染色により神経線維の増生および神経節細胞の欠如を認める.
- 手術または剖検により得られた消化管の全層標本で肛門から連続して腸管壁内神経節細胞の欠如を認める.
ヒルシュスプルング病、手術による根治術後も結腸・小腸大量切除により経静脈栄養や経管栄養管理を必要とする症例があり、それらも小児慢性特定疾患の対象とする.無神経節腸管の長さにより重症度を以下のように分類する.
- 軽症例
- 直腸下部型(肛門から直腸下部まで)
- S状結腸型(直腸下部からS状結腸まで)
- 中等症例
- 左右結腸型(下行結腸から盲腸まで)
- 重症例
- 全結腸型(回盲部から口側30cmの回腸まで)
- 最重症例
- 小腸型(回盲部から口側30cmの回腸を超える範囲)
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要な者については、医療費助成の対象とする。
参考文献
Suita S, Taguchi T, Ieiri S, Nakatsuji T. Hirschsprung’s disease in Japan: analysis of 3852 patients based on a nationwide survey in 30 year. J Pediatr Surg 40:197-202, 2005
当該事業における対象基準
疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植若しくは小腸移植を行った場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児外科学会