診断方法
A.主要な症状・所見
他の成因がなく
- 膵炎の家族歴
- 再発性膵炎
- E(M)CP で膵管拡張 / 狭窄像を認める。
以上の3項目は、遺伝子異常による膵炎を疑う重要な徴候である。 初発年齢は平均7歳である。
B.診断
- PRSS1遺伝子変異 (p.R122Hないしp.N29I変異)を認める再発性膵炎や慢性膵炎
- 1例以上で既知の既往がなく40歳以下で発症した家族性膵炎(註)
以上を遺伝性膵炎と診断する(2002年厚生労働省難治性膵疾患研究班の診断体系)。
(註)家族性膵炎とは「家系内に2人以上の患者がみらえる膵炎」と定義される。 SPINK1遺伝子変異を有する小児例では、家族歴がある場合に定義上の遺伝性膵炎と診断されるが、常染色体劣性遺伝形式の例もあり、必ずしも家族歴は必要ではない。
当該事業における対象基準
体重増加不良、成長障害、易疲労性、反復する腹痛発作又は慢性の脂肪便のうち一つ以上の症状が認められる場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児栄養消化器肝臓学会