診断方法
A. 主要な臨床所見
無症状であることが多く、稀に低血糖や繰り返す下気道感染症を呈する。
有症状例では、肺内シャントに伴うバチ指や低酸素症、門脈肺高血圧症に伴う低酸素症および右心不全症状、肝性脳症としての行動や人格の軽微な変容から昏睡までの意識障害を示すことがある。
B. 主要な検査所見
- 血液検査所見 食後にガラクトース血症、高アンモニア血症、総胆汁酸高値がみられやすい。
- 補助的血液検査所見 肝機能障害、凝固能障害、Fischer比の低下、高マンガン血症
- 画像検査所見 腹部単純レントゲン検査で肝臓の陰影が小さい。 腹部超音波検査、CT検査等で門脈本幹の欠損・低形成および門脈体循環短絡路を同定。
C. 他の補助的検査所見
- 99mTcO4経直腸門脈シンチグラフィーでシャント率の高値
- 頭部MRI検査で両側淡蒼球および下垂体前葉がT1W1で高信号
- 肺血流シンチグラフィーで肺内シャント率の高値
- 心臓エコー検査で肺高血圧症を示唆する所見
A, Bが本症に矛盾せず、B3のCT検査などで特徴的病変を確認したものを本症とする。
- ※
- 本症では一般に肝硬変症および門脈圧亢進症は合併しない。
- ※※
- 先天性心疾患等の先天奇形を合併することが多い。
当該事業における対象基準
疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児栄養消化器肝臓学会