診断方法
A.既往歴・主要症状・所見
- 背景に慢性肝疾患や門脈血行異常症があることが多い。
- 吐下血をきたしやすい。
- 脾腫、腹壁皮静脈の怒張、腹部膨満などをみることが多い。
- 食道静脈瘤の治療歴がある。
- 肺病変を伴い低酸素血症をきたすことがあり、バチ状指をみることがある。
B.主要な検査所見
- 血液検査所見 血小板低下、汎血球減少、総胆汁酸高値、アンモニア高値、ビリルビンの異常値などをみることが多い。
- 画像検査所見 腹部造影CTなどで食道・胃に静脈瘤ないし側副血行を認めることが多い。 腹部超音波検査で鋸歯状または逆行する門脈血流や、肝円索の再開通をみることがある。
- 消化管内視鏡検査所見 食道・胃に静脈瘤を認めるか、hypertensive gastropathyの所見をみる。
C.除外要件
- 既存の小児慢性特定疾患は本症に含めない。 B.2または3を重視しつつA.からC.を総合的に判断する。
註
- Banti症候群は本症に含める。
- 「肝中心静脈閉塞を伴う免疫不全症」は免疫疾患分野を参照されたい。
- 「バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群」は特定疾患(公費対象)である。
- 既存の小児慢性特定疾患はその疾患で申請されたい。たとえば不明の肝硬変症に伴う門脈圧亢進症は「肝硬変症」で申請する。
- 肝門部に海綿状変性を認めれば本症であることが多い。
当該事業における対象基準
疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植を行った場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児栄養消化器肝臓学会