診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 肝内胆汁うっ滞性疾患
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進行性家族性肝内胆汁うっ滞症

しんこうせいかぞくせいかんないたんじゅううったいしょう

progressive familial intrahepatic cholestasis; PFIC

告示

番号:13

疾病名:進行性家族性肝内胆汁うっ滞症

診断方法

A. 主要症状および所見

  1. 遷延する黄疸、白色便、脂肪便、肝脾腫、著明な掻痒感をみることが多い。
  2. 低身長、体重増加不良、門脈圧亢進、吐下血をみることがある。

B. 検査所見

  1. 血液検査所見
  2. 直接ビリルビン・総胆汁酸・AST・ALTなどが高値である。
    1型(FIC1病)および 2型(BSEP病)ではAST・ALTの高値にもかかわらずγ-GTPが正常もしくは軽度高値、3型(MDR3病)ではγ-GTPは高値である。
  3. 肝生検で下記の所見が認められる
  4. 光学顕微鏡所見:
    1型では胆汁うっ滞が小葉間胆管よりも毛細胆管でみられやすい。2型では巨細胞性肝炎が特徴的であり、BSEP蛋白が免疫染色で観察されない。早期より肝硬変像を呈する。
    電子顕微鏡所見:
    1型では Byler bile が時に見られる。2型では胆汁は無構造。
  5. 遺伝子解析ではATP8B1 (1型)、ABCB11 (2型)、ABCB4 (3型)の各遺伝子のいずれかに異常を認めることが多い。

C. 参考所見

1型では下痢、膵炎、難聴をみることがある。
2型は乳児早期に発症し、肝不全へ進行する速度が比較的早い。
3型は、発症時期は乳児期に遷延性黄疸で発症するものから妊娠中に胆石症などで発症する例まで様々であり、進展は比較的遅い。

A. 1. の症状があり、B. 3. 遺伝子解析で異常を認める場合を確定例とする。
A. の症状があるが遺伝子解析を行なわない場合は、 BSEP 染色、Byler bile、γ-GTP値、C. などを参考に臨床診断する。

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合、治療を要する場合又は肝移植若しくは小腸移植を行った場合

:バージョン1.0
承認日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会