診断方法
確診例・疑診例を対象とする。
(1)主要所見
- 縦走潰瘍<註1>
- 敷石像
- 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫<註2>
(2)副所見
- 消化管の広範囲に認める不整形〜類円形潰瘍またはアフタ<註3>
- 特徴的な肛門病変<註4>
- 特徴的な胃・十二指腸病変<註5>
確診例
- 主要所見の A. または B. を有するもの。<註6>
- 主要所見の C. と副所見の a. または b. を有するもの。
- 副所見 a. b. c. を全て有するもの。
疑診例
- 主要所見の C. と副所見の c. を有するもの。
- 主要所見 A. または B. を有するが、潰瘍性大腸炎や腸型ベーチェット病、単純性潰瘍、虚血性腸病変と鑑別ができないもの。
- 主要所見の C. のみを有するもの。<註7>
- 副所見のいずれか2つまたは1つのみを有するもの。
- 註1
- 小腸の場合は、腸間膜付着側に好発する。
- 註2
- 連続切片作成により診断率が向上する。消化管に精通した病理医の判定が望ましい。
- 註3
- 典型的には縦列するが、縦列しない場合もある。
また、3ヶ月以上恒存することが必要である。
また、腸結核、腸型ベーチェット病、単純性潰瘍、NSAIDs潰瘍、感染性腸炎の除外が必要である。 - 註4
- 裂肛、cavitating ulcer、痔瘻、肛門周囲膿瘍、浮腫状皮垂など。Crohn病肛門病変肉眼所見アトラスを参照し、クローン病に精通した肛門病専門医による診断が望ましい。
- 註5
- 竹の節状外観、ノッチ様陥凹など。クローン病に精通した専門医の診断が望ましい。
- 註6
- 縦走潰瘍のみの場合、虚血性腸病変や潰瘍性大腸炎を除外することが必要である。敷石像のみの場合、虚血性腸病変を除外することが必要である。
- 註7
- 腸結核などの肉芽腫を有する炎症性疾患を除外することが必要である。
参考文献
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に対する調査研究」(班)(渡辺班平成24年度分担研究報告書平成25年作成)
当該事業における対象基準
疾病による症状がある場合又は治療を要する場合
- 版
- :バージョン2.0
- 更新日
- :2015年6月5日
- 文責
- :日本小児外科学会/日本小児栄養消化器肝臓学会