診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 難治性下痢症
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リパーゼ欠損症

りぱーぜけっそんしょう

lipase deficiency

告示

番号:30

疾病名:リパーゼ欠損症

診断方法

A.主要症状

  1. 生後まもなくあるいは乳幼児期から認める脂肪性下痢、幼児期以降には便失禁をともなうことがある。

B. 検査所見

  1. 十二指腸液中の膵リパーゼ活性が著しく低いか全く認めない。
  2. 膵酵素製剤の服用で便中脂肪は50%程度減少するが内服中止でもとに戻る。
  3. 汗のクロライドは正常である。
A.に該当し、さらにB.の1に該当する場合を本症とする。
(補足)
本症の膵リパーゼの欠損は、酵素蛋白の変質による活性欠如ではなく、先天的な酵素蛋白の合成欠如が原因である。遺伝形式は同胞発症が認められることより、常染色体劣性遺伝であると考えられている。栄養障害・発達障害が認められないことから本症を疑う。

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合又は治療を要する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会