診断の手引き

  1. 慢性消化器疾患
  2. 大分類: 難治性下痢症
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エンテロキナーゼ欠損症

えんてろきなーぜけっそんしょう

enterokinase deficiency

告示

番号:24

疾病名:エンテロキナーゼ欠損症

診断方法

A.主要症状

  1. 乳児期の下痢と体重増加不良

B.検査所見

  1. 十二指腸液にエンテロキナーゼ、トリプシン、キモトリプシンの活性を認めない。リパーゼ、アミラーゼ活性は正常である。しかし、in vitroでエンテロキナーゼを添加するとトリプシン活性が認められる。
  2. 小腸粘膜生検で小腸上皮にエンテロキナーゼ活性を認めない。
  3. PRSS7遺伝子検査による変異検出する。
A.に該当し、さらにB.の1があり、2または3に該当する場合を本症とする。
(補足)
エンテロキナーゼは十二指腸、空腸粘膜に存在し、トリプシノゲンを活性化してトリプシンにする働きがある。従ってエンテロキナーゼ欠損症では、トリプシノゲンからトリプシンへの活性化が起こらない。本症の報告はきわめて少ない。

当該事業における対象基準

疾病による症状がある場合又は治療を要する場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児栄養消化器肝臓学会