診断方法
Ⅰ. 主要要臨床症状
2ヶ月以上の経過の、再発性または慢性進行性の経過をとる多発ニューロパチー
Ⅱ. 重要な検査所見
- 末梢神経伝導検査における2本以上の運動神経での脱髄を示唆する所見(伝導速度の低下、伝導ブロックまたは時間的分散、遠位潜時の延長、F波の欠如または最短潜時の延長、の少なくとも一つ)
- 髄液検査における蛋白細胞解離
- MRIにおける神経根あるいは馬尾の肥厚または造影所見
- 末梢神経生検における脱髄を示唆する所見
Ⅲ. 除外診断
末梢神経障害をきたす遺伝性疾患(Charcot-Marie-Tooth病など)、全身性疾患(膠原病・血管炎、悪性腫瘍など)や、薬物や毒物への暴露
Ⅳ. 診断基準
Ⅰ、Ⅱ の 1、Ⅲ のすべてを満たし、かつ、Ⅱ の 2 ~ 4 の内の最低一つを満たす場合、本症と診断する。
参考文献
- 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー,多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン2013. 監修 日本神経学会 編集「慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー,多巣性運動ニューロパチー診療ガイドライン」作成委員会. 2013年,南江堂.
- 難病情報センター:慢性炎症性脱髄性多発神経炎(http://www.nanbyou.or.jp/entry/333)免疫性神経疾患に関する調査研究班
当該事業における対象基準
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2015年7月2日
- 文責
- :日本小児神経学会