状態の程度
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
診断基準
A 症状
急性期の臨床症状に基づいて診断する。
① 小児で、感染症の有熱期に発症する。頭部外傷など他の誘因に基づく病態、他の脳症症候群、脳炎は除外する。
② 発熱当日または翌日に痙攣(early seizure、多くはけいれん重積)で発症する。
③ 3~7病日に痙攣(late seizure、多くは部分発作の群発)の再発、ないし意識障害の増悪を認める。
[参考所見]
・ 原因病原体としてHHV-6、インフルエンザウイルスの頻度が高い。
・ early seizure後、意識障害はいったん改善傾向となる。
・ 軽度精神発達遅滞から重度の精神運動障害まで予後は様々である。
B 検査所見
急性期の頭部画像所見に基づいて診断する。
④ 3~14病日に拡散強調画像で皮質下白質(bright tree appearance)ないし皮質に高信号を認める。中心溝周囲はしばしばスペアされる(central sparing)。
⑤ 2週以降、前頭部、前頭・頭頂部にCT, MRIで残存病変ないし萎縮を、またはSPECTで血流低下を認める。中心溝周囲はしばしばスペアされる。
[参考所見]
・ 1, 2病日に施行された CT, MRI は正常である。
C 遺伝学的検査等
なし。
D 鑑別診断
頭部MRIでbright tree appearance類似の所見を呈しうる頭部外傷、虐待、低酸素脳症、臨床症状で発熱に伴う痙攣、意識障害など類似の所見を呈しうる他の脳症症候群、脳炎などは除外する必要がある。
E-1 確実例
上記の①、②、③、④、⑤の全てを満たす例。
E-2 疑い例
上記の①、②に加えて③、④、⑤のいずれかを満たす例。
急性期の臨床症状に基づいて診断する。
① 小児で、感染症の有熱期に発症する。頭部外傷など他の誘因に基づく病態、他の脳症症候群、脳炎は除外する。
② 発熱当日または翌日に痙攣(early seizure、多くはけいれん重積)で発症する。
③ 3~7病日に痙攣(late seizure、多くは部分発作の群発)の再発、ないし意識障害の増悪を認める。
[参考所見]
・ 原因病原体としてHHV-6、インフルエンザウイルスの頻度が高い。
・ early seizure後、意識障害はいったん改善傾向となる。
・ 軽度精神発達遅滞から重度の精神運動障害まで予後は様々である。
B 検査所見
急性期の頭部画像所見に基づいて診断する。
④ 3~14病日に拡散強調画像で皮質下白質(bright tree appearance)ないし皮質に高信号を認める。中心溝周囲はしばしばスペアされる(central sparing)。
⑤ 2週以降、前頭部、前頭・頭頂部にCT, MRIで残存病変ないし萎縮を、またはSPECTで血流低下を認める。中心溝周囲はしばしばスペアされる。
[参考所見]
・ 1, 2病日に施行された CT, MRI は正常である。
C 遺伝学的検査等
なし。
D 鑑別診断
頭部MRIでbright tree appearance類似の所見を呈しうる頭部外傷、虐待、低酸素脳症、臨床症状で発熱に伴う痙攣、意識障害など類似の所見を呈しうる他の脳症症候群、脳炎などは除外する必要がある。
E-1 確実例
上記の①、②、③、④、⑤の全てを満たす例。
E-2 疑い例
上記の①、②に加えて③、④、⑤のいずれかを満たす例。
参考文献
- 高梨潤一. けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)の診断と治療. 小児急性脳症診療ガイドライン策定委員会(編)小児急性脳症診療ガイドライン. 診断と治療社, 東京, 2016, pp. 92-100
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2018年1月31日
- 文責
- :日本小児神経学会