診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: ラスムッセン(Rasmussen)脳炎
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ラスムッセン(Rasmussen)脳炎

らすむっせんのうえん

Rasmussen encephalitis

告示

番号:99

疾病名:ラスムッセン脳炎

診断方法

I. 主要臨床症状

  1. 焦点性運動ないし感覚発作等で始まりその後に持続性部分てんかん発作(EPC)を合併し、難治に経過するが、通常は対側の発作は伴わない。EPCを合併しない場合でも焦点性発作の重積(群発を含む)を伴う。
  2.  経過とともに進行性の片麻痺、片側視野欠損症等の一側性皮質障害の症状を伴う。

II. 他の重要な臨床所見および検査所見

  1. 発症年齢は小児期と成人期の二峰性であるが1-10歳までが多い。
  2. 頭部MRIで一側半球の進行性※皮質萎縮と、皮質もしくは白質のT2/FLAIR高信号、または同側尾状核頭の高信号もしくは萎縮が進行する。
  3. 病理所見で活性化ミクログリア(必須ではないが典型的には結節を形成)及び反応性アストログリオーシスを伴うT細胞優位脳炎像が認められる。
進行性とは、少なくとも連続2回の診察所見もしくはMRI検査において各々の基準を満たすことが必要である。

IのすべてとIIの2を満たす場合、またはIの1、IIの2、IIの3のうちの2項目を満たす場合には本症と診断する。

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会