診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: レット(Rett)症候群
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レット(Rett)症候群

れっとしょうこうぐん

Rett syndrome

告示

番号:100

疾病名:レット症候群

診断方法

I.主要臨床症状

  1. 習得した目的のある手の運動が、部分的、あるいは完全に喪失する
  2. 習得した音声言語が、部分的、あるいは完全に喪失する
  3. 歩行異常。歩行の障害、歩行失行、まったく歩けなくなる
  4. 手の常同運動。手をねじる・絞る、手を叩く・鳴らす、口に入れる、手を洗ったりこすったりするような自動運動

II.除外診断基準

  1. 周産期脳障害 
  2. 後天性脳障害 
  3. 神経代謝障害がある

III.支持診断基準

  1. 覚醒時の呼吸異常
  2. 覚醒時の歯ぎしり
  3. 睡眠パターン障害
  4. 筋緊張異常
  5. 末梢血管運動反射異常
  6. 側弯・前弯
  7. 成長障害
  8. 小さく冷たい手足
  9. 不適切な笑い・叫び
  10. 痛覚への反応の鈍麻
  11. 目によるコミュニケーション、じっと見つめるしぐさ

IV.遺伝子解析 (MECP2,CDKL5,FOXG1

MECP2はコマーシャルベースで可能。上記3つの遺伝子は国内で恒常的に検査が行われているわけではない。

V.確定診断

主要症状の1~4を満たし、除外診断基準を満たす時MECP2CDKL5,FOXG1の異常があれば更に強く確定する

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会