診断の手引き

  1. 神経・筋疾患
  2. 大分類: ジュベール(Joubert)症候群関連疾患
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ジュベール(Joubert)症候群関連疾患

じゅべーるしょうこうぐんかんれんしっかん

Joubert syndrome related disorders

告示

番号:21

疾病名:ジュベール症候群関連疾患

診断方法

Ⅰ.主要臨床症状

  1. 小脳虫部の低形成または欠損、脳幹の形態異常
  2. 精神運動発達遅滞
  3. 新生児期または乳児期の筋緊張低下
  4. 中枢性呼吸異常(過呼吸・無呼吸など)
  5. 眼球運動異常(眼球運動失行、眼振など)

Ⅱ.他の合併症状

  1. 乳幼児~思春期に生ずる進行性腎不全、腎のう胞
  2. 視覚障害(網膜色素変性、網膜部分欠損など)
  3. 眼瞼下垂
  4. 脂肪肝、肝腫大、肝硬変などの肝障害
  5. 口唇・蓋裂などの口腔内の異常、多指(趾)
  6. 小脳失調

Ⅲ.重要な検査所見

血液検査:貧血、高BUN、高クレアチニン血症、低Ca,高P血症
尿検査:低浸透圧尿、多尿など
網膜電位(ERG)検査:反応消失または著減
頭部CT、MRI検査:小脳虫部欠損・低形成、脳幹形態異常(Molar tooth sign)
腎CT、MRI、超音波検査:多発性腎嚢胞
腎生検:ネフロン癆
腹部エコー検査:脂肪肝、肝腫大、肝硬変など。

診断は、Ⅰ. 1、2、3 は必須で、かつ 4、5 のどちらかまたは両方を呈するものとする。
Ⅱ. の 1 ~ 6 を合併する場合も本症と診断する。
また Ⅲ. の検査所見は診断の補助として重要。

当該事業における対象基準

運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合

:バージョン1.0
更新日
:2014年10月6日
文責
:日本小児神経学会