診断方法
Ⅰ.主要臨床症状
- 小脳虫部の低形成または欠損、脳幹の形態異常
- 精神運動発達遅滞
- 新生児期または乳児期の筋緊張低下
- 中枢性呼吸異常(過呼吸・無呼吸など)
- 眼球運動異常(眼球運動失行、眼振など)
Ⅱ.他の合併症状
- 乳幼児~思春期に生ずる進行性腎不全、腎のう胞
- 視覚障害(網膜色素変性、網膜部分欠損など)
- 眼瞼下垂
- 脂肪肝、肝腫大、肝硬変などの肝障害
- 口唇・蓋裂などの口腔内の異常、多指(趾)
- 小脳失調
Ⅲ.重要な検査所見
- ①
- 血液検査:貧血、高BUN、高クレアチニン血症、低Ca,高P血症
- ②
- 尿検査:低浸透圧尿、多尿など
- ③
- 網膜電位(ERG)検査:反応消失または著減
- ④
- 頭部CT、MRI検査:小脳虫部欠損・低形成、脳幹形態異常(Molar tooth sign)
- ⑤
- 腎CT、MRI、超音波検査:多発性腎嚢胞
- ⑥
- 腎生検:ネフロン癆
- ⑦
- 腹部エコー検査:脂肪肝、肝腫大、肝硬変など。
診断は、Ⅰ. 1、2、3 は必須で、かつ 4、5 のどちらかまたは両方を呈するものとする。
Ⅱ. の 1 ~ 6 を合併する場合も本症と診断する。
また Ⅲ. の検査所見は診断の補助として重要。
当該事業における対象基準
運動障害、知的障害、意識障害、自閉傾向、行動障害(自傷行為又は多動)、けいれん発作、皮膚所見(疾病に特徴的で、治療を要するものをいう。)、呼吸異常、体温調節異常、温痛覚低下、骨折又は脱臼のうち一つ以上の症状が続く場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児神経学会