診断の手引き

  1. 血液疾患
  2. 大分類: 先天性骨髄不全症候群
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ファンコニ(Fanconi)貧血

ふぁんこにひんけつ

Fanconi anaemia

告示

番号:42

疾病名:ファンコニ貧血

診断方法

診断

  • (1) 臨床像
    1. 汎血球減少
    2. 皮膚の色素沈着
    3. 形態異常
    4. 低身長
    5. 性腺機能不全
    ただし臨床症状は多彩であり、臨床像のみで確定診断することは不可能である。
  • (2) 染色体脆弱性試験
    1. 末梢血リンパ球または皮膚線維芽細胞の染色体断裂試験で、染色体断裂が著増 
  • (3) FANCD2モノユビキチン化検査
    1. 末梢血リンパ球または皮膚線維芽細胞を用いたFANCD2ウェスタンブロットにてモノユビキチン化が検出できない。
  • (4) 遺伝学的検査
    1. ファンコニ貧血原因遺伝子の遺伝子診断

    (2)または(3)が陽性である場合、ファンコニ貧血として矛盾せず、ファンコニ貧血として考えられる。 分子遺伝学的な確定診断は(4)遺伝子診断によるが、遺伝子変異が同定できない例もある。下に診断フローチャートを示す。



    図1 診断のフローチャート

    除外診断

    • 遺伝性骨髄不全症候群
    • 先天性角化不全症、シュワッハマン・ダイアモンド症候群、先天性無巨核球性血小板減少症、ピアソン症候群
    • 染色体不安定性症候群
    • 色素性乾皮症、毛細血管拡張性運動失調症、ブルーム症候群、ナイミーヘン症候群

    当該事業における対象基準

    治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合
    :バージョン1.0
    更新日
    :2014年10月6日
    文責
    :日本小児血液・がん学会