診断方法
診断
血小板減少の確認
- 血小板数が通常は10万/μL未満
- 血小板減少を来たす血液疾患の除外。*1
脾機能亢進症の確認
a,cは必須項目- 血小板減少、貧血、白血球減少のうち一つまたはすべてを認める。*2
- 骨髄穿刺検査で、骨髄は過形成、または正常。*3
- 脾腫の確認。*4
- 脾摘により血球減少などの症状が改善する。*5
参考条項
脾腫を来たす基礎疾患としては、以下のものがある。- うっ血性脾腫
- 門脈または脾静脈の外的圧迫または血栓症
- 門脈脈管構造の奇形
- 肝硬変
- 特発性門脈圧亢進症
- 右心不全など
- 感染症および炎症性疾患
- 急性感染症、慢性感染症(結核、マラリアなど)
- サルコイドーシス
- アミロイドーシス など
- 骨髄増殖性およびリンパ増殖性疾患
- 白血病、特に慢性骨髄性白血病など
- 悪性リンパ腫
- 骨髄線維症
- 真性赤血球増加症など
- 先天性溶血性貧血
- 赤血球形態異常を伴う溶血性貧血(先天性球状赤血球症、先天性楕円赤血球症など)
- 赤血球酵素異常、サラセミアなど
- 先天性代謝異常症
- ゴーシェ病、ニーマンピック病など
- 脾嚢胞など
註釈
*1
骨髄増殖性およびリンパ増殖性疾患(白血病、悪性リンパ腫、骨髄線維症)や先天性溶血性貧血などでも二次性の脾機能亢進症を来たすことがあるが、「脾機能亢進症による血小板減少症」からは除外する。*2
血球減少のうち、血小板数の減少は必須項目とする。*3
骨髄検査は血液疾患による脾機能亢進症の鑑別のために必要だが、門脈圧亢進症などによるうっ血性脾腫、蓄積症に関連した脾腫、脾嚢胞などによる脾腫などでは、必ずしも必須の検査ではない。*4
脾腫の確認のためには、触診に加えて、超音波検査などでも確認する。*5
「脾摘による血球減少の改善」は、あくまで結果であるので、診断のための必須項目ではない。当該事業における対象基準
治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会