診断方法
- (1)
- 臨床所見として、貧血とその症状を認める。易感染性や出血傾向を認めない。すべての年齢に発症する。
- (2)
- 以下の検査所見を認める。
- 貧血
- 網赤血球の著減
- 骨髄赤芽球の著減
- (3)
- 基礎疾患による場合を除き、以下の検査所見は原則として正常である。
- 白血球数
- 血小板数
- (4)
- (1)~(3)によって赤芽球癆と診断し、以下の病歴と検査所見によって病因診断を行う。
- 病歴
- 薬剤服用歴
- 感染症の先行
- 血清エリスロポエチン濃度を含む血液生化学検査
- 自己抗体を含む免疫学検査
- 骨髄穿刺、骨髄生検、染色体検査などによるほかの造血器疾患の判定
- リンパ球サブセット解析
- T細胞抗原受容体(TCR)遺伝子の再構成
- ヒトパルボウイルスB19を含むウイルス学検査
- 画像検査による胸腺腫、悪性腫瘍の検索
- (5)
- 以下によって経過および病因による病型分類を行う。
- 急性一過性 :
- 経過観察、原因薬剤中止などの待機的治療で推定発症、または診断から1か月以内に貧血の改善がみられ、3か月までに回復する。
- 慢 性:
- 上記以外。
- 特発性:
- 基礎疾患を認めない。
- 続発性:
- 先行または随伴する基礎疾患を認める。
参考文献
- 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 「特発性造血障害に関する調査」研究班. 「赤芽球癆 診療の参照ガイド 令和元年度改訂版」
当該事業における対象基準
治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、造血幹細胞移植、腹膜透析又は血液透析のうち、一つ以上を継続的に実施する(断続的な場合も含めておおむね6か月以上)場合。
- 版
- :バージョン1.1
- 更新日
- :2021年2月17日
- 文責
- :日本小児血液・がん学会