診断方法
臨床所見、生化学分析、および遺伝子解析に基づいて行う。
- 交感神経ノルアドレナリン作動性機能の欠如による心血管疾患、重度の起立性低血圧によって特徴づけられる。(注1)
- アドレナリンの低下もともなうため新生児期の症状はしばしば低血圧、筋緊張低下、低体温、低血糖など複雑な交感神経系全般におよぶ自律神経障害となる。(注2)
- 生化学的診断:血漿、尿、脳脊髄液中でドーパミンの増加とノルアドレナリンとアドレナリンの低下あるいは、それらの代謝産物の測定でHVA/VMA比の増加を証明する。
- 酵素診断: DBH活性の低下。(注3)
- 遺伝子診断:ダイレクトシークエンス法やMLPA法により9q34.2に位置するDBH酵素蛋白をコードする遺伝子(DBH)解析を行う。
症状は非特異的なものが多いが、上記の臨床像のような症状、所見がみられ、他の原因疾患が特定されていない場合には下記の検査を行う。
- 注1:
- ドーパミンの増加とノルアドレナリンとさらにノルアドレナリンから産生されるアドレナリンの両者が欠乏するため交感神経系自律神経障害を引き起こす。
- 注2:
- 小児期は通常重篤な起立性低血圧、眼瞼下垂、鼻詰まりを認め、青年期後期から性的な障害が始まり、成人期初期にかけて徐々に悪化する。
- 注3:
- 血漿、髄液中のDBH活性の低下は個体差が大きくこれだけでは診断できない。
当該事業における対象基準
疾患名に該当すれば対象となる
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会