診断方法
臨床症状、臨床検査に基づいて行う。
- 臨床症状 ゴーシェ病には大きく3つの病型に分類される。臨床所見はそれぞれに分けて考える。
- 1型:おもな症状は、貧血、血小板減少、肝脾腫、骨症状を認め、神経症状は伴わない。発症時期は、幼少期から成人までと幅広い。
- 2型:肝脾腫、肺病変の他、けいれん、後弓反張などの神経症状を伴う。乳児期までに発症し神経症状が急速に進行して、ほとんどの症例が2~3歳までに死に至る。 新生児期に発症する症例では胎児水腫や魚鱗癬を呈する。
- 3型:神経症状を伴うが2型よりもその程度は軽度で、進行が緩徐である。 神経症状は異常眼球運動、ミオクローヌス、小脳失調、けいれんと多様であるが、その重症度や予後、発症時期により3a、3b、3c型の3つの亜型に分類される。 3a型はスウェーデンのNorbotten地方に多い、古典的な3型の病型を呈する。 3b型はより早期に発症し、臓器症状が著明であり、肺高血圧が致死的になることもある。 神経症状は核上性上方注視麻痺のみで1型と誤診される病型である。 3c型では肝脾腫、骨症状は明らかでなく、水頭症、角膜混濁、心弁膜石灰化が主症状である。
- 臨床検査
- 貧血、血小板減少を認める。
- 血清酸性ホスファターゼ(ACP)高値、
アンジオテンシン変換酵素(ACE)高値を認める。 - 骨髄検査でゴーシェ細胞を認める。
- 培養皮膚線維芽細胞の酸性β-グルコシダーゼ(acid-β-glucosidase)活性低下
- 遺伝子解析でβ-glucosidase遺伝子に変異を認める。
common mutationが存在し、病型や重症度の推定がある程度可能。
疑診:上記臨床症状に、a, bかつcを認めれば強く疑う。
確定診断:dあるいはeを認める。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会