診断方法
(1) 下記の症状・臨床検査からムコ多糖症を疑う。
症状:特有の顔貌、関節拘縮、関節変形、骨の変形、精神運動発達障害、神経学的退行、角膜混濁、難聴、繰り返す滲出性中耳炎、アデノイド、扁桃肥大、臍ヘルニア、そけいヘルニア、肝脾腫大、閉塞性呼吸障害、騒音性呼吸、異所性の蒙古斑など。それぞれの症状は、治療を行わないと加齢に伴い進行する。
臨床検査:全身骨X線で多発性の骨形態変化を認める。その他、尿中ウロン酸排泄量の上昇があり、病型により、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸などの過剰排泄を認める。
(2) 確定診断は酵素診断によりなされる。白血球、培養線維芽細胞などの検体から、以下の酵素の活性低下を示すことにより、診断が確定する。なお、遺伝子診断は、補助的検査であり、原則として、確定診断には用いない。
ムコ多糖症I型: α-L-iduronidase
ムコ多糖症II型: Iduronate sulfarase
ムコ多糖症III型:
heparan N-sylfatase
α-N-acetylglucosaminidase
ムコ多糖症IV型:
N-acetylgalactosamine 6-sulfatase欠損症
β-galactosidase欠損症
ムコ多糖症VI型: N-Acetylgalactosamine 4-sulfatase(別名arylsulfatase B)
ムコ多糖症VII型: β-Glucuronidase
※ なお、2014年2月現在、検査センターエスアールエルで、尿中ウロン酸、ムコ多糖分画および血液検体を用いたムコ多糖症 I型、II型、III型、IV型、VI型、VII型の酵素診断が可能である。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会