診断方法
(1) 下記の症状・臨床検査から糖原病VII型を疑う。
主要症状:運動誘発性に筋症状を示す。
運動不耐、運動時有痛性筋けいれん、ミオグロビン尿症。強い短時間の等尺性運動で運動不耐、筋痛、有痛性筋けいれんが生じる。
参考となる検査所見:
① 血清CK高値:常に高値であるが、運動誘発性の筋症状出現時には著明に上昇する。
② 尿中/血中ミオグロビン、血清尿酸値の上昇:運動時の横紋筋融解を反映し上昇する。
③ 血清BUN, クレアチニンの上昇:運動時の横紋筋融解を反映し上昇する。
④ 高LDH血症、高間接ビリルビン血症、網状赤血球の増加:溶血所見を認める。
(2) 診断の根拠となる特殊検査
① 阻血下前腕運動負荷試験または非阻血下前腕運動負荷試験
乳酸およびピルビン酸が上昇しない。
(前値の1.5倍未満の乳酸上昇を異常とする。アンモニアを同時測定し、アンモニアが上昇しない場合には、負荷が十分ではないと判断する必要がある)
② 生検筋組織化学検査
筋漿膜下にグリコーゲンの蓄積を認める。
(3) 確定診断のための検査
①酵素活性測定
生検筋における筋ホスホフルクトキナーゼの酵素活性欠損または低下を証明する。
②遺伝子解析
PFKMの遺伝子解析により病因となる遺伝子変異を同定する。
診断基準 酵素活性の低下もしくは遺伝子解析で病因となる遺伝子変異を確認したものを確定診断例とする。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会