診断方法
(1) 下記の症状・臨床検査から糖原病V型を疑う。
主要症状:運動誘発性に筋症状を示す。運動不耐、運動時有痛性筋けいれん、ミオグロビン尿症。強い短時間の等尺性運動で運動不耐、筋痛、有痛性筋けいれんが生じる。運動を続けるうちに、突然筋痛や有痛性筋けいれんが軽快し再び運動の持続が可能となる“セカンドウィンド現象”を高率に認め、この現象は糖原病V型に特徴的である。
参考となる検査:
① 血清CK高値:常に高値であるが、運動誘発性の筋症状出現時には著明に上昇する。
② 尿中/血中ミオグロビン、血清尿酸値の上昇:運動時の横紋筋融解を反映し上昇する。
③ 血清BUN, クレアチニンの上昇:運動時の横紋筋融解を反映し上昇する。
(2) 診断の根拠となる特殊検査
① 阻血下前腕運動負荷試験または非阻血下前腕運動負荷試験
乳酸およびピルビン酸が上昇しない。
(前値の1.5倍未満の乳酸上昇を異常とする。アンモニアを同時測定し、アンモニアが上昇しない場合には、負荷が十分ではないと判断する必要がある)
② 生検筋組織化学検査
筋漿膜下にグリコーゲンの蓄積を認め、ホスホリラーゼ染色が陰性。
(3) 確定診断のための検査
① 遺伝子解析
PYGMの遺伝子解析により病因となる遺伝子変異を同定する。
糖原病V型では日本人の約50%に好発変異(708/709 del TTC)を認める
② 酵素活性測定
生検筋における筋グリコーゲンホスホリラーゼの酵素活性欠損または低下を証明する。
診断基準
筋グリコーゲンホスホリラーゼの酵素活性の低下、もしくは遺伝子解析で病因となる遺伝子変異を確認したものを確定診断例とする。
当該事業における対象基準
疾患名に該当する場合
- 版
- :バージョン1.0
- 更新日
- :2014年10月6日
- 文責
- :日本先天代謝異常学会